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『インランド・エンパイア』 [映画(・・・?)]

ディヴィッド・リンチ監督、『マルホランド・ドライブ』以来5年ぶりの新作にして3時間の大作。

2007年は初長編『イレイザーヘッド』からちょうど30年目でもあり、大ブームとなったTVシリーズ『ツイン・ピークス』の日米での初DVD化、パリではリンチ展も開催など、まさにリンチ・イヤーである。本作はリンチ作品の集大成とも言える、お得意の不条理モノだ。しかもリンチと3度目のタッグを組むローラ・ダーンが主演・共同製作も務めている。

ローラ・ダーン演じるハリウッド女優のニッキーがヒロイン。彼女は未完のポーランド映画『47』のリメイク『暗い明日の空の上で』の主演で再起を狙うが、私生活でも相手役のデヴォンと不倫に陥り、現実と映画の間を彷徨うようになる・・。

細かいストーリーは説明できない。例によって脈絡のない場面の連続で、ニッキーが行き来するのは、映画内映画の『暗い明日の空の上で』や、映画『47』に出演したと思われるポーランドのロスト・ガールの世界、そしてニッキー自身の世界など。各人物について明確な説明はない。
幾つもの世界と幾つもの時間が、現実とも幻覚ともつかないイメージで複雑に絡み合う。これぞリンチファンにはたまらない展開。
前半はややテンポが遅いかと思ったが、たたみかけるように衝撃的な場面が連なる後半は俄然面白い。一番恐かったのは、ローラ・ダーンのパニック顔だけど(笑)。

チョイ役も含めて出演者が異常に多い。裕木奈江がホームレス役で出ててビックリした(笑)。

因みに、私自身は特別リンチ映画のファンではない(嫌いではない)。いかにも好きそうだと言われるけど、何故かちょっと違う。多分理由はこうだ。不条理映画は悪趣味に傾きがちなのに、リンチ映画は全体的にノーブルでどこか品がある。
私が好むアート系映画はもうちょっと異端。だからこそ、一番好きな彼の作品は、やや悪趣味と言える『イレイザー・ヘッド』なのだ。最初にあれを観たときはショックで二度と観られないと思ったけど、時々無性に観たくなる麻薬のような映画。ああ、また観たい・・(笑)。

因みに、リンチ映画を理解したと自覚すること=リンチ映画を本当には理解していないということである。

キーワード;
ウサギ人間、ドライバー、電球、娼婦、ピストル、妊娠、ポーランド

2006年アメリカ
INLAND EMPIRE
監督:デヴィッド・リンチ
出演:ローラ・ダーン、ジェレミー・アイアンズ、ジャスティン・セロー、ハリー・ディーン・スタントン、
カロリーナ・グルシカ他

c Eigentum des jeweiligen Studios / Vertriebes

今夏、恵比寿ガーデンシネマにて公開


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