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『阿波DANCE』 [映画(青春)]

阿波踊りとヒップ・ホップダンスの融合という無謀なテーマを持ったこの映画、観てみると意外とまとまっていた。
しかも創作ダンスの四苦八苦より、周囲とうまくやっていくことの難しさや大切さ、月並みだが高校生活最後の夏休みに大人へと成長する若者の姿を描いた点が成功している。主演には主演作が続々公開される期待の若手女優、榮倉奈々と、映画・舞台・TVと幅広く活躍する勝地涼。

東京から徳島の学校へ転校してきた茜は、ヒップホップダンス大会で優勝経験もあるクールな女の子。 早速ダンス部を覗いてみると、地元の伝統芸能・阿波踊りを一生懸命踊る男子たちの姿が。特にコージは誰よりも阿波踊りへの情熱が熱く、”ダサい”とけなした茜と激しく対立する。しかし、コージの親友ユッキーが阿波踊りとヒップホップが混ざり合うAWA DANCEを思いつく。しぶしぶ参加する茜とコージだが、うまくまとまりかけた矢先に解散の危機が・・。

初っ端から、茜のキャラが気に入らない。超ワガママで憎たらしい。彼女に何故、阿波踊りをけなす権利があるのか・・コージの方がよほどシッカリしている。しかし、この茜の刺々しさが次第に取れていくのがこの映画の重要な部分。茜の見せるヒップホップや地元市民たちの阿波踊りなどダンスシーンは勿論見どころだが、個々のキャラクターの性格や苦悩がきめ細かく描かれている。親や友人に言えない孤独な悩みや、寂しさ・・それが彼らを踊る情熱へと駆り立てるのだが、茜の場合、それは”怒り”でしかない。でも、ユッキー(この子がなかなか良い)の優しさやコージの言葉によって、茜は自分の中の孤独と向きあい、闘うことになる。茜だけでなくコージもまた、父親を尊敬する反面、親に逆らえないもどかしさも感じている。ユッキーも夢と現実の間で揺れている。ダンスは心で踊るもの。阿波踊りのキーワードである”阿呆”がここで大事な役目を果たす。ラストの阿波踊り大会のシーンは圧巻(よくこんな上手くヒップホップと融合させたものだと感心したら、振り付けはKABA.ちゃんであった)。

茜が徳島を離れる展開はちょっと残念だと思ったけど、新しい出発という意味で縁起の良さを感じた。

最近みんな阿呆になること忘れてないかな?

キーワード;
「無理」、融合、メダル、蓮根、親子、レオナルド・ダ・ヴィンチ、美術館、自転車、試験、阿呆

2007年日本
監督:長江俊和
出演:榮倉奈々、勝地涼、北条隆博、橋本淳、尾上寛之、岡田義徳、星野亜希、笑福亭松之介、高木沙耶、高橋克美

夏公開

(c)2007「阿波DANCE」Film Partners


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『アヒルと鴨のコインロッカー』 [映画(青春)]


ミステリー作家、井坂幸太郎が数々の文学賞を受賞した同名小説を、『刑務所の中』『クイール』の脚本家でもあり、『ルート225』で高い評価を得た中村義洋監督が映画化。主演に、今最も注目される旬の俳優陣―濱田岳、瑛太、関めぐみらを揃え、オール仙台・宮城ロケを敢行した話題作。

仙台の大学入学したため、東京から越してきたばかりの椎名。彼は隣の部屋に住む河崎と知り合うが、出会った初日に突然「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけられる。河崎は、同じアパートに住む留学生のドルジに広辞苑を贈りたいのだと言う。
「彼は、アヒルと鴨の違いを知りたがっているんだ」。
しかし、結局椎名は河崎の計画に付き合うことになる。
本屋襲撃は成功するが、河崎が奪ってきたのは広辞苑ならぬ広辞林。
・・一見、何の根拠もなさそうなこの計画の裏には、河崎とドルジ、ドルジの恋人で河崎の元恋人琴美の、あまりにも切ない物語が隠されていた・・。

すごい。
よく出来ている、この話。
前半は、ひたすらキーワードの羅列。さっぱり訳が分からないまま物語が勝手に進んでいく。
それが後半になって、ちゃんと点が線で繋がるのだ。
前半をよく見ていると、後半で展開するミステリーを解くヒントが隠されている。広辞苑と広辞林を間違えるのも、単なるギャグではないのだ。
それも、思いもしないようなきっかけで、かなり驚かされる展開になっていく。ドルジとは一体何者なのか。河崎はもうこの世に居ないとはどういうことなのか。
翻弄される椎名を濱田岳が演じ、ミステリアスな河崎を瑛太を演じる。琴美役に爽やかな魅力の関めぐみ。大人の女性の色気を放つ大塚寧々、ミステリーの鍵を握る重要な役を松田龍平も出演。瑛太って・・年齢以上に落ち着きのある演技を見せるなあ・・。

先に多くを語らない方がいい映画なので、この辺で。

キーワード;
ボブ・ディラン、本屋、広辞林、神様、ブータン、動物園、ペット殺し、HIV、ボイスレコーダー、ボウリング場

2006年日本
監督:中村義洋
出演:濱田岳、瑛太、関めぐみ、田村圭生、関暁生(ハローバイバイ)、松田龍平、大塚寧々他

初夏、恵比寿ガーデンシネマにて公開

原作の購入はこちらで↓
 
アヒルと鴨のコインロッカー


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『Academy アカデミー』 [映画(青春)]

日豪合作で、日本人キャストは杉浦太陽と高橋マリ子が出演している。
日本の大学システムは、入学が大変で卒業は簡単。必死に勉強した反動で、いざ入学したら気が抜けて殆ど勉強しなくなる・・なんてこともよくある。しかし、ここは違う。日々厳しい選考にかけられ、成績の悪い生徒は強制退学させられるという恐~~いシステム。本作は、同校で退学に怯えながら学生生活を送る生徒たちのユニークなドラマだ。

トップダンサーダンス科のミッシェル、才能に恵まれながらも自ら退学を希望する美術学科の千穂、日本人初のオスカー俳優を目指す演劇科の隆、自信満々の映画学科のウェイド、弱気だけど練習熱心なヴァイオリン奏者、音楽科のマシュー。この5人が1年後の”退学勧告”を恐れながらも、夢に向かって諦めずに成長していく姿を、恋愛ドラマも絡ませながら描いていく。そして、ついに”その日”がやってくる・・・。

繰り返すようだが、とにかく日本の大学と違うところに興味津々。いや、本来こうでなくちゃおかしいのね。勉強するのは大学に入ってから。そのために入学するんでしょうが!隆の”魔性の男”ぶり、怪しげなバイトで次第に墜ちていくダンサーのミッシェル、千穂とマシューの恋の行方、そして千穂のラブリーなファッション(見事なネイルアートに注目!)など見所は有り余るほど。なかなか面白く、レイトショー公開は勿体ない。
因みに、監督が同校出身者なので説得力も一味違う。
是非、日本の現役大学生に観て欲しい。

キーワード;
主役、ゲイ、バレエ、ナイトクラブ、絵、レズビアン

Academy
オーストラリア
監督:ギャヴィン・ヤングス
出演:高橋マリ子、杉浦太陽、エリカ・バロン、メーガン・ドゥルーリー、ポール・アシュトン、ダニエル・マロ二ー他

初夏、渋谷Q-AXシネマにてレイトショー


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『あしたの私のつくり方』 [映画(青春)]

またまた成海璃子の主演作。続々と公開作を控え、今もっとも目が離せない女優となった。本作は『トニー滝谷』の市川準監督が新進女性作家真戸香の同名小説を映画化したもので、”狭い世界で傷つけあっている若い世代へのメッセージ”を投げかけている。

女子高生の寿梨は、学校では仲間はずれを恐れ本意ではない行動をとり、家では離婚間近の両親に気遣っている。一方、日南子は、憧れの優等生からイジメの対象に変わってしまう。そんな2人は小・中学校の同級生。寿梨は高校生になって転校した日南子に”コトリ”という偽名を使って架空の物語をメールで送り続ける。それは、人気者”ヒナ”の生活を描いた「ヒナとコトリの物語」。日南子はヒナを真似て誰からも好かれる存在になっていく。寿梨ははそれを知って自分のことのように喜ぶ。しかし、次第に彼女たちは現実の自分と理想の自分のギャップに苦しみ始める・・。

とてもユニークな物語で引き込まれる。
多感な10代の少女を主人公にしてあるが、実はこういう感情とは一生つきあっていくもの。本当の自分と偽りの自分に苦しむことに、年齢は関係ないのだ。ただ、こうしたことに最初に気づくのが恐らく中学生時代。大人は分裂した自分の対処法を心得ていても、子供時代はそれも分からず、ただ戸惑うだけだ。だから、この映画は寿梨や日南子と同世代の少女たちが観ても意外とピンと来ないかもしれない。むしろ、その感情を経験した大人たちにはグッとくるのでは・・。それにしても、私の学生時代とは彼女たちの”遊び”が随分違う。今の子供たちは携帯パソコンが遊び相手。誰とも話さず一人の世界で携帯に向かっている姿は孤独でもあり、傷つきやすい今の若者たちを象徴している。市川監督の「世界はもっと広いんだ」という、この映画に込められたテーマは、今最も大切なことに感じられる。
成海璃子は相変わらず顔立ちが大人っぽい(20代に見える)が、体型が華奢でルックス的には非常にバランスが悪く見える(それが魅力かも?)。日南子は秋元康が手がけるAKB48の前田敦子が映画初出演。寿梨の母親を演じる石原真理子の服装が・・・時々トンでもなかった・・。

全ての世代におススメの瑞々しい作品だ。

キーワード;
図書室、卒業式、太宰治、離婚、携帯電話、メール

2007年日本
監督:市川準
出演:成海璃子、前田敦子、高岡蒼甫、石原真理子、石原良純、田口トモロヲ他

4月GW,渋谷アミューズCQN他にて公開

(C)2007『明日のわたしのつくり方』製作委員会


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『檸檬のころ』 [映画(青春)]


豊島ミホの同名原作を、本作で長編映画監督デビューを飾った新鋭・岩田ユキが映画化。初恋や片思い、将来の夢・・青春映画の普遍的テーマを瑞々しく描いた学園モノ。キャストに榮倉奈々、谷村美月、柄本佑、石田法嗣ら今最も多忙な十代の俳優たちを起用、更に、兄弟ギターデュオ”平川地一丁目”の弟、林直次郎が映画初出演を果たしている。

高校3年生の加代子は容姿端麗、成績優秀のマドンナ。野球部の西は、そんな加代子に片思いしている。ところが、西と同じ野球部のエース、佐々木も加代子に夢中。西と違って積極的な佐々木は加代子にアプローチを続け、二人はついに交際を始める。
一方、友達と群れずに一人教室の片隅で音楽を聴いている恵。将来は音楽ライターになる夢がある。ある日、恵はクラスメートの辻本が自分と同じような音楽の趣味があることを知る。音楽談義に盛り上がり、仲良しになる2人。
文化祭の季節。辻本は恵に曲の作詞を依頼。そして、加代子と佐々木も進路のことですれ違いが・・。
春の訪れを前に、それぞれの別れがやってくる。

高校生活を送ったことがあるなら、この映画を観て心を動かされない人は居ないだろう。誰しも彼らと同じ経験の一度や二度しているに違いない。この中の誰かに自分を重ね、ほんのひととき高校時代にタイムスリップすることができる。私自身は学校生活を楽しいと感じなかったタイプで、恵とソックリ。期待していたのに空振りだったり、友達が先に夢を叶えてしまったり・・。友人の投稿が音楽雑誌に載り、軽く(?)失恋もしてダブルパンチの彼女が、言葉少なに涙を流す場面にはこらえきれず泣いてしまった。

それから、加代子と佐々木の淡い恋。これこそ石田法嗣演じる西の方がいいんじゃないのか~と思って見ていたが・・だって彼女を見つめる目の切ないこと!いや、地味に控えているからいいのだろう。中学時代のエピソードのシーンが美しい。

こういう映画には”恥ずかしくて見ちゃいられない”感がつきものだが、この映画はそんなことはない。女の子の視点からも男の子の視点からも描いていて、甘すぎず、それでいて胸がきゅんとする、まさにフルーツのような味わいの作品だ。

キーワード;
野球部、自転車、レモンのリップクリーム、電車、吹奏楽部、進路、生物室、軽音楽部、文化祭、ラムネ

2007年日本
監督:岩田ユキ
出演:榮倉奈々、谷村美月、柄本佑、石田法嗣、林直次郎、浜崎貴司、石井正則、大地康雄他

3月、渋谷シネ・アミューズ他にて公開

原作購入はこちら↓

檸檬のころ


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『神童』 [映画(青春)]

空前のクラシック・ブームと言われる今、日本初の本格クラシック映画との話題作(ちょっと大袈裟な気が・・)が公開される。原作はさそうあきらの同名コミック。主演に、14歳にして圧倒的な存在感を放つ成海璃子と『男たちの大和YAMATO』など話題作への出演でブレイクが期待される松山ケンイチを迎えている。

天才的なピアノの才能に恵まれながらも、いまいち満足できずにもてあましている13歳の”うた”。指を守るために球技の禁止や手袋着用など日常生活での制限に不満を募らせ、家庭においても孤独を感じていた。そんなうたがある日、音大を目指す青年ワオに出会う。互いに独りぼっちだった二人は、音楽を共有することで今までにない感情を経験していく・・・。
ズバリ言ってしまうと、演奏家の本質を突いた物語なら”のだめ”の方がよほど上手い。だからこそ逆に思ったのだけど、これは音楽だけをテーマにした作品ではないということ。人は一人では生きていけないこと、他者と何かを共有することで発見する新しい世界を、音楽というものの価値観に置き換えているのだ。映画の展開はゆっくりしていて、むしろ、あまり大きな進展がない。見方によっては途中で終わってしまったという印象さえ受ける・・少々全体的にバランスが悪い?あと、これはもともと原作の段階で決まっているから仕方ないのだが、「うた」とか「ワオ(和音)」というわざとらしい名前がどーも気に入らない(すみません、名前を知った時点でノレませんでした)。キャストに集まったのは国際舞台で活躍するクラシック界の若手たち。様々なコンクールで入賞した新鋭たちがその腕を披露する場面も見られる。映画全編を彩る名曲の数々もクラシック・ファンには嬉しいはず。しかし、毎度思うけど成海璃子、大人びた顔だちで14歳には見えない(でも体型は子供なのよね)。西島秀俊が僅かな出演シーンながらも強い印象を残す。監督は『帰郷』が高い評価を受けた萩生田宏治。

キーワード;
ボート、青果店、ピアノ、球技、聴覚、受験、父親、図書室、代演、オーケストラ

2006年(?)日本
監督:萩生田宏治
出演:成海璃子、松山ケンイチ、手塚理美、甲本雅裕、西島秀俊、吉田日出子、串田和美、柄本明他

2007年春、シネマライズ、シネ・リーブル池袋他にて全国公開

(C)『神童』製作委員会

原作コミックの購入ならこちら↓

神童 (1)


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『恋しくて』 [映画(青春)]

沖縄ブーム真っ盛り。ブームの火付け役に、やっぱりテレビ映画メディアも一役買っていたと思う。 『ナビイの恋』『ホテルハイビスカス』もそうだった。そんな沖縄をテーマにした映画を撮り続ける中江裕司監督の最新作が4年ぶりに公開される。

時間がゆったり流れる石垣島。高校生になった加那子は、祖母の家に引っ越したきり会わずにいた幼馴染の栄順と再会。ある日、加那子の兄セイリョウが突然に「バンドやるど」と言い出し、栄順が歌、マコトがギター、セイリョウがドラムをやることになる。加那子は引っ込み思案の栄順を歌わせる役目を担う。やがて、加那子と栄順は次第に惹かれ合うようになっていく。彼らはバンド大会を自ら主催し見事優勝、東京大会の出場権を勝ち取るが、出発を前にして予想外の出来事が起きてしまう。そして、その出来事がきっかけで少しずつ皆の思いは噛みあわなくなっていく。加那子と栄順の恋の行方は・・?

沖縄出身のバンド”BEGIN”のデビュー前をモデルにしたという。ところどころに微笑ましい笑いが散りばめられた瑞々しい青春の風景に、思わず「この時代に戻りたい」と考えてしまうほど。しかしその背景には、セイリョウと加那子の行方不明になった父への想いや、セイリョウを待ち受ける運命など、明に対して暗の部分もきちんとある。ほろ苦い、という表現がしっくりくるような、二度と戻らないかけがえのない時間。その素晴らしさと楽しさと悲しみを、中江監督はこの上なく優しい目線で描いている。ストーリー展開に関して言えば、最終的にセイリョウと加那子がバンドから抜けてしまうのが非常に残念なのだが・・。セイリョウ役の石田法嗣(『バーバー吉野』『カナリア』に出演。こんなに大きくなっちゃって!)以外はオーディションで選ばれた俳優が演じているので、新鮮で素朴な感じがよく出ている。同じ世代の少年少女たちが親と一緒に観るのもいいかも。懐メロやセイリョウの母(ジャズヴォーカリストの与世山澄子)が歌うジャズなど、いろんな歌が登場して楽しい。ヤギや牛の台詞にも注目(笑)。

余談ですが、今年観た試写は200本超えました・・。

キーワード;
おなら、闘牛、タバコ、美容院、亀、バンド、父親、楽譜、東京

2007年日本
監督:中江裕司
出演:石田法嗣、東里翔斗、山入端佳美、宜保秀明、大嶺健一、与世山澄子、平良とみ他

春、テアトル系にて全国公開


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『恋人たちの失われた革命』 [映画(青春)]


ゴダール(初期の)は大好きなのに、フィリップ・ガレルの作品は何故かいつもあまり印象に残らない。こういうヌーヴェルヴァーグのフランス映画、好きなのに・・何故なんだろう・・。ガレルは世代的にはゴダールより少し後。『アルファヴィル』に感銘を受けたという彼の作品は、どうしてもゴダールを「追って」しまうのか。言い換えれば、ゴダールには及ばないのか。数多くある作品のすべてを観たわけではないので断定は決してできないのだけれど、この手の映画ならやっぱりゴダールの『中国女』の方がずっとインパクトが強い・・と思う。

などなど、比べてしまったが・・、

最新作である本作は、息子のルイを主役に起用。1968年の五月革命を舞台にした若者たちの倦怠感漂う大作だ。

二十歳の詩人(自称)、フランソワは兵役を拒絶し街へ出て行く。そこには機動隊と衝突する彼と似たような若者たちばかり。ある日、フランソワは彫刻家志望の女性リリーと出会い、恋に落ちる。1969年・・フランソワと仲間たちは、パーティー、阿片、セックスなどの享楽に溺れて、夢や理想を語り合うだけの日々を過ごしていた。何かを求めているのに、不安から逃げられない。そして、フランソワとリリーの愛もまた、そんな不安に引き裂かれるように・・・。

この設定、この光景、どこかで見たような。そう、ベルナルド・ベルトリッチの近作『ドリーマーズ』とそっくり。しかも、あの映画の主演もルイ・ガレルだった。何故こんな似たような映画を、いくら息子だからって同じ俳優で作ったのか。分からない・・フィリップ・ガレル、分からない・・。これはこれでいいのだけど、損ではないか。この映画全体も182分という長さ。暴動シーンが特に長すぎ。15分くらいあるのではないか?ガレルとしては無駄な場面は全くないつもりなのだろうが、この内容でこの長さは辛いし、集中力も落ちてくる。

と言いつつも、悪いところばかりではない。ルイ・ガレルの柔な雰囲気は古いフランス映画の俳優が蘇ったようだし、リリー役のクロティルド・エスムも独特の個性を持つ美人(本作の大抜擢で、期待の新人と注目されている)。あまり先入観を持たなければヌーヴェルヴァーグ・ファンは楽しめるかもしれない。知識を引っ張り出して色々比べたりするとダメかも^^;

キーワード;
詩人、火炎瓶、裁判所、阿片、革命

Les Amants Reguliers
2005年フランス
監督:フィリップ・ガレル
出演:ルイ・ガレル、ロティルド・エスム、エリック・ルリヤ、ジュリアン・リュカ他

正月より東京都写真美術館ホールにて公開


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『バックダンサーズ!』 [映画(青春)]

完成披露試写で観たのだが、キャストの舞台挨拶もあるため、応援団がスゴかった・・。

hiro、平山あや、ソニン、サエコの4人が主演の青春モノ。フジテレビの”月9”『東京ラブストーリー』や『ロングバケーション』で数々のヒットドラマを演出してきた永山耕三が監督を手がけたことも話題。バックダンサーとしての華やかなステージを突然亡くした4人の女の子たちが、困難にぶつかりながらも夢を追い続ける姿を描く。ダンス振り付けは、日本でも有数の振り付け師たちが担当。息の合ったダンスを見せる彼女たちの演技にも注目したい。

ボーカルの突然の引退宣言で、行き場を失くした4人のバックダンサーズ。彼女たちを押し付けられた新米マネージャーの茶野は、落ち目のオヤジロックバンド”スチールクレイジー”との共同ライブを企画。意外にもうまく行きそうな予感がしたのも束の間、彼女たちのライバルである後輩ユニットが人気急上昇。バックダンサーズはついに事務所に見切りをつけられ、一方的に引退を決められてしまう。ショックで仲間割れもしてしまい、再び行き場を失くした4人だったが・・。

アイドル映画のノリもあるけど、これが苦労の連続で、そうそううまくいく物語ではない。4人の個性は勿論のこと、登場人物一人一人を丁寧に描いている。hiroはリーダー役で、歌を披露する場面もあって存分に魅力を発揮。チームの中で一番感じやすい平山あや、言葉は乱暴だけど人一倍苦労しているソニン、アイドル志望で子供っぽいサエコ・・彼女たちを見ているだけでも意外と楽しめるの。それから、”スチールクレイジー”のボーカリストのサイドストーリーがなかなか良く、隠れた主人公は彼であると言ってもいいかもしれない。演じているのが陣内孝則なので、キャラクター的にコミカルで笑えるシーンも多い(彼のこの作品への貢献度はかなりのもの)。ラストのステージシーンは見せ場。ダンスブームとは言っても、ダンスに興味のない人には関係ない話?いや、そうではない。夢って、諦めちゃいけないなと思わせる説得力は、かなり高い。

2006年日本
監督:永山耕三
出演:hiro、平山あや、ソニン、サエコ、田中圭、甲本雅裕、木村佳乃、真木蔵人、鈴木一真、石野真子、陣内孝則他

9月9日より全国公開


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『出口のない海』 [映画(青春)]

大ヒット作『半落ち』の原作者・横山秀夫と監督の佐々部清が再び組み、また一つ日本人の心に響く感動作を作り上げた。脚本に山田洋次と『うなぎ』の冨川元文を迎え、主演はこれが映画初出演となる市川海老蔵、他は伊勢谷友介、柏原収史、塩谷瞬、上野樹里ら、映画界の期待の若手たちが顔を揃えた。敗戦が色濃くなった頃の日本を舞台に、海軍の秘密兵器に束の間の青春を捧げた若者たちの悲劇を描く。

1945年、1隻の潜水艦が敵の攻撃を交わしながら進んでいく。艦内には、甲子園の優勝投手だった並木、並木の同級生マラソンランナーとしてオリンピックを目指していた北、明るくよく喋る佐久間、皆の弟分的存在の沖田が乗り込んでいた。彼らは死ぬためにここに居た。日本が敗戦を目前にしながら開発した最終兵器”回天”に乗るのだ。定員一名、脱出装置なし。爆薬を大量に積み敵艦に激突する、いわゆる人間魚雷である。敵艦の次の攻撃まで、彼らはそれぞれの青春を振り返る。並木には大切な家族と可愛い恋人が居た・・。

特攻隊を扱った映画に比べ、人間魚雷の話は意外と少ない。いずれにしても、”お国のために”と未来ある若者たちを捧げた、痛ましいまでの日本の姿だ。この頃の日本は少し狂っていたのかもしれない。この映画に登場する若者たちは、志願して海軍に入隊する。突撃準備の体勢になり、心の中で父や母に別れを告げ、死を覚悟するが、故障で突撃注視になったりもする。ここで彼らは命拾いをするわけだが、彼らにとっては生きて帰ることは恥。運がいいはずのことを運が悪かったと思わねばならないなんて、どうかしている。でも、当時はこれが”サムライ精神”だった。戦争がもたらした、この時代の若者の強さは、今の若者たちにはない。果たして必要な強さかどうかは分からないが、少なくとも、毎日毎日を大切に生きていたことは確かだ。何とも皮肉だと思う。時間軸がバラバラなので順序がちょっと分かりにくいが、よく出来ていた。もうちょっと笑いを取り入れた場面があっても良かったかも。並木を演じる海老蔵の演技も硬いので、全体的に映画のイメージは重い。海老蔵、顔が大きいし(伊勢谷友介と並ぶと特にそう見える)、体型も重たく、年齢より老けて見えるのが難点。伊勢谷友介がクールなキャラクターで存在感がある。上野樹里は本当にいろいろな役をこなす女優で、本作では清楚で可憐な並木の恋人役を好演。

キーワード;
野球、キャッチボール、マラソン、回天

2006年日本
監督:佐々部清
出演:市川海老蔵、伊勢谷友介、上野樹里、塩谷瞬、柏原収史、伊崎充則、香川照之、古手川祐子、三浦友和他

9月16日より全国公開


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