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『ファウンテン 永遠に続く愛』 [映画(・・・?)]

ヒュー・ジャックマンとレイチェル・ワイズ。共に好きな男優・女優なのでヒイキ目に観てしまったのだが・・。 ひじょ~~~に受け止めるのが難しい映画。何しろ、監督が『π』『レクイエム・フォー・ドリーム』のダーレン・アロノフスキーなので、普通の映画ではないだろうと思っていたが。これは・・ううーん^^;

新薬開発の研究に没頭する医師トミーと、病に冒されたその妻イジー。イジーは残されたわずかな時間を夫と過ごしたいと願うが、トミーは妻を救いたい一心で研究の方を優先してしまう。その冷静さを欠いた没頭ぶりに、研究チームはトミーに数日間の休暇を言い渡す。イジーはトミーに自分の書いた未完の物語「ファウンテン」を渡して「あなたが完成させて」と言う。その物語は、中世スペインを舞台に、高潔な騎士が女王の命を受け、永遠の命を約束すると伝えられる”ファウンテン(生命の泉)”を探す旅が描かれていた。そして、ついにイジーの「そのとき」がやってくる・・。

ヒュー・ジャックマンは3役、レイチェル・ワイズは2役を演じている。イジーが書いた物語「ファウンテン」の騎士トマスと、現実の医師トミー、そして彼の思想上(?)のシーンに登場するトム。最も象徴的立場で描かれるのがトムだ。トムのシーンは現実離れしていて、この世の場所でない何処かに彼は居る。ラスト3分の一は彼のシーンなので、ある意味映画的でない(PVみたい)映像についていけなくなる人も絶対多いと思うし、実際、私も戸惑った。それでも私は、少なくともこの映画を理解したいと感じ、好感を持った。ただし、ある一つの価値観や哲学をそのまま映像化したような内容でありながら具体的なストーリーも存在するので、非常に感情移入がしにくい。同じ場面を繰り返す箇所も何度かあり、話の順序も混沌としている。簡単に言えば、手塚治虫の「火の鳥」のような内容。

ヒュー・ジャックマンはこれまで見せたことのないほどの熱演(スキンヘッドは似合わないけど・・)。レイチェル・ワイズはよく見るとそんなに美人ではないのに何故か美人の印象を与える不思議な女優。そして2人に共通しているのは品のよさ。うまく言えないのだけれど、そんなことも手伝ってか「本当はこの映画、それほど悪くないはず」と思った。でも、タイトルとポスターデザイン(日本版の)を見て勘違いする人も多いだろうな・・特に中高年の女性・・心配だ・・。

キーワード;
望遠鏡、初雪、星、”シバルバ”、結婚指輪、猿、アダムとイヴ、生命の泉、死

THE FOUNTAIN
2007年アメリカ
監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ヒュー・ジャックマン、レイチェル・ワイズ、エレン・バースティン他

7月14日(土)より銀座テアトルシネマ他にて全国公開


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『パンズ・ラビリンス』 [映画(・・・?)]

ずっと楽しみにしていた映画
http://blog.so-net.ne.jp/hanamomimo/2007-02-22-20
今秋公開と聞いていたのだけど完成披露試写が早くてビックリ。

アカデミー賞では撮影・美術メイクアップ賞と3部門受賞した他、スペインのゴヤ賞、英国アカデミー賞など各国の映画祭で受賞した話題作。監督は『デビルズ・バックボーン』『ヘルボーイ』のギレルモ・デル・トロで、本作は『デビルズ・バックボーン』の前日譚、姉妹編とも言えるダーク・ファンタジーだ。

スペイン内戦で父を亡くした少女オフェリアは、母が再婚するため山奥の駐屯地にやってきた。母の再婚相手は冷酷な大尉。不穏な空気に本能的な恐怖を覚えたオフェリアは、旅の途中で不思議な昆虫に導かれ、迷宮に迷い込む。そこには守護神”パン”が居て「あなたは探し続けていた魔法の王国のプリンセスに違いない」とオフェリアに語りかけ、彼女に3つの試練を与える・・・。

「不思議の国のアリス」のようなおとぎ話的ファンタジーと思っていたら外すかも。この映画の幻想シーンは映画の3分一程度。殆どは、オフェリアの義父である大尉の極悪非道さ、まさに鬼畜としか言いようのない冷血さを強調するようなストーリー展開で、惨殺シーンも少なくない。
大尉の子を宿し臨月を迎えた瀕死の母親、駐屯地を襲うチャンスを伺うゲリラ部隊、彼らに協力し、オフェリアを支える小間使いメルセデスらの緊迫したやりとりが冒頭からラストまで続く。時折挟まれる幻想シーンはオフェリアの内部を表す世界だが、現実と妄想の区別など彼女にとっては曖昧だ。現実は一つしかないのか?自分の思う現実と他人の思う現実は同じなのか?この映画は「現実」というものの観念についても問いかけてくる。

迷宮の中でオフェリアは、大ガエルに会ったり、手の平に目玉を付けた怪物に追いかけられたりする。彼女が出会う守護神パンは姿はグロテスクでも心根は優しい。逆に、大尉の非人道的な振る舞いはおよそ人間とは言えない怪物だ。最終的にオフェリアはどちらの世界を選ぶのか・・それは、「まさか」のラストシーンで明らかになる。

エンタテインメント系映画とは明らかに違うし、それなりに重いので要注意。
決して予想していた通りの映画とは言えなかったが、『デビルズ・バックボーン』が好きだった私にはこちらも好みでした。

キーワード;
妖精、ゲリラ、ナイフ、魔法の石、蛙、鍵、チョーク、抗生物質、ドレス、葡萄の実、マンドラゴラ、ミルク、血

Pan's Labyrinth
2006年スペイン・メキシコ
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:セルジ・ロペス、マリベル・ベルドゥ、イバナ・バケロ、ダグ・ジョーンズ、アリアドナ・ヒル他

今秋、恵比寿ガーデンシネマにて公開

『Pan's Labyrinth』 Teresa Isasi. (c) 2006 Picturehouse


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『インランド・エンパイア』 [映画(・・・?)]

ディヴィッド・リンチ監督、『マルホランド・ドライブ』以来5年ぶりの新作にして3時間の大作。

2007年は初長編『イレイザーヘッド』からちょうど30年目でもあり、大ブームとなったTVシリーズ『ツイン・ピークス』の日米での初DVD化、パリではリンチ展も開催など、まさにリンチ・イヤーである。本作はリンチ作品の集大成とも言える、お得意の不条理モノだ。しかもリンチと3度目のタッグを組むローラ・ダーンが主演・共同製作も務めている。

ローラ・ダーン演じるハリウッド女優のニッキーがヒロイン。彼女は未完のポーランド映画『47』のリメイク『暗い明日の空の上で』の主演で再起を狙うが、私生活でも相手役のデヴォンと不倫に陥り、現実と映画の間を彷徨うようになる・・。

細かいストーリーは説明できない。例によって脈絡のない場面の連続で、ニッキーが行き来するのは、映画内映画の『暗い明日の空の上で』や、映画『47』に出演したと思われるポーランドのロスト・ガールの世界、そしてニッキー自身の世界など。各人物について明確な説明はない。
幾つもの世界と幾つもの時間が、現実とも幻覚ともつかないイメージで複雑に絡み合う。これぞリンチファンにはたまらない展開。
前半はややテンポが遅いかと思ったが、たたみかけるように衝撃的な場面が連なる後半は俄然面白い。一番恐かったのは、ローラ・ダーンのパニック顔だけど(笑)。

チョイ役も含めて出演者が異常に多い。裕木奈江がホームレス役で出ててビックリした(笑)。

因みに、私自身は特別リンチ映画のファンではない(嫌いではない)。いかにも好きそうだと言われるけど、何故かちょっと違う。多分理由はこうだ。不条理映画は悪趣味に傾きがちなのに、リンチ映画は全体的にノーブルでどこか品がある。
私が好むアート系映画はもうちょっと異端。だからこそ、一番好きな彼の作品は、やや悪趣味と言える『イレイザー・ヘッド』なのだ。最初にあれを観たときはショックで二度と観られないと思ったけど、時々無性に観たくなる麻薬のような映画。ああ、また観たい・・(笑)。

因みに、リンチ映画を理解したと自覚すること=リンチ映画を本当には理解していないということである。

キーワード;
ウサギ人間、ドライバー、電球、娼婦、ピストル、妊娠、ポーランド

2006年アメリカ
INLAND EMPIRE
監督:デヴィッド・リンチ
出演:ローラ・ダーン、ジェレミー・アイアンズ、ジャスティン・セロー、ハリー・ディーン・スタントン、
カロリーナ・グルシカ他

c Eigentum des jeweiligen Studios / Vertriebes

今夏、恵比寿ガーデンシネマにて公開


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『世界はときどき美しい』 [映画(・・・?)]


これまた一風変わったポエトリー・ムービー。
都会に住む男女の日常を見つめた5つのストーリーで、タイトルフランスの詩人、ジャック・プレヴェールの詩篇「われらの父よ」の一節から取っている。それぞれの内面が独り言のように綴られ、観客は、静かに、深く、それらを体内に吸収していく・・そんな映画だ。

絵画教室でヌードモデルの仕事をする38歳の女性。体調を崩して通院する彼女は、道端の雑草を気に留めるようになった。

大阪の酒場をわたりあるいている蠅男と呼ばれる初老のオヤジ。路上稼業で、風呂付の家にも住めない彼は少ない金で毎晩街で飲み歩く。そして、また朝が来る・・。

恋人ベッドで過ごす女性。彼は私が好きなのかしら?と自問。いつかは自分も彼も死ぬ。彼女は、いつかテレビで見たインドの寺にある古い彫り物を思い出す。

天文台に勤務する青年。彼女の恋人は妊娠中。避妊が失敗して出来た子供だ。不安な気持ちを抱える2人。

一人暮らしのOLが、母と兄と一緒に父の墓参りに行く。実家でひとときの夕食。帰り際、彼女は母の孤独と老いを思いやる。「そういえば、私は母のことを何も知らない」・・。

5つの物語は何てことない話で(これ重要)、だからこそその”何てことのなさ”への愛しさや慈しみがいかに大切であるかを語っている。
映像というより写真を眺めるような感覚で、語られるモノローグは本を読むよう。
個人的には、台詞の多い映画は苦手なので、このモノローグがちょっとうるさかったけど、哲学的な内容でユニークだと思った。
特に良かったのは最後の一編。とても穏やかな気持ちでラストを迎える。

松田龍平って父親と全然雰囲気が違うが、声や喋り方がそっくりになってきた・・。

キーワード;
カフェ、居酒屋、工事現場、セックス、自動販売機、宇宙、子供、母、名前

2006年日本
監督:御法川修
出演:松田龍平、市川実日子、片山瞳、松田美由紀、柄本明、浅見れいな、瀬川亮、草野康太、木野花、遠山景織子他

3月31日より渋谷ユーロスペース他全国順次公開

©2006 「世界はときどき美しい」製作委員会


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『黒○眼のオ○ラ』 [映画(・・・?)]

伏字でスミマセン、なんか嫌いだったんで(涙)。
こちらも順序違えて伏字にします。これでタイトル分かりますよね。
あっ、誰ですか?「オナラ」と想像したのは!
『○い眼の○ペラ』です。

もう、途中で帰ろうかと思いました。こんなこと珍しいんですが。
『西瓜』のツァイ・ミンリャン監督の新作で、マレーシアのクアラルンプールを舞台に、孤独な男と女たちが愛を求めて彷徨う姿を描いたドラマだ。

登場人物は、瀕死の重傷を負ったホームレスの男、そんな彼を介抱する男、寝たきりの男を介護する女、その男の母親である食堂の女主人。
ホームレスの男はどこか妖しいオーラを放つようで、男も女たちも皆彼に吸い寄せられるように惹かれていく。

ただ、それだけの物語である。
台詞は殆どない。
個人的には、映画は台詞が少なければ少ないほど好きなのだが、本作は他の点で受け付けなかった。
アジアの悪い面が出ている。蒸すような暑さのせいか、男たちは上半身裸で歩き回り、だらしなく寝ているシーンが多い。汚い部屋で得体の知れない飲み物を飲んでいる。女も昼寝スタイルで外出。
アジアの雑多な雰囲気が異国情緒を強調してうまく生かされている映画も多いが、これは逆効果で、なんだか生理的に嫌だった。
男が釣りをしているときに肩に蛾が留まるシーン以外は、綺麗と思える場面がない。
それから、ほぼ全編、遠くから映しているので俳優の表情が分からない。
主人公であるホームレスの男性が、他の場面で見て同一人物だと気づくのも大分経ってからだった。
何してるのか分からないシーンも多々。

モーツァルトからチャップリンまで、音楽にも注目とのことだったが、それほど効果的に使われているとは思えないし。
タイトルも意味不明。
『西瓜』の方がマシだったなあ( ̄ω ̄;)

キーワード;
賭け、マットレス、食堂、蚊帳、廃墟、マスク、蛾

I DON'T WANT TO SLEEP ALONE
2006年台湾・フランス・オーストリア
監督:ツァイ・ミンリャン
出演:リー・カンション、チェン・シャンチー、ノーマン・アトン、パーリー・チュア

4月(?)公開


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『ボッスン・ナップ』 [映画(・・・?)]

アメリカを代表するラッパー、スヌープ・ドッグ主演のド派手なエンタテインメント映画音楽は勿論のこと、恋愛ビジネスギャングの世界など様々な要素を詰め込んだゴージャスな内容になっている。

スーパーの店員として貧しい生活を送ってはいるが、女性を振り向かせる手腕に長けたコーデは、一刻も早くこの世界から抜け出して大金を稼ぎたいと思っていた。伝説のピンプ(売春斡旋業)と出会った彼は、スーパーの客として現れたシャルドネと恋人同士になり、ピンプとして成り上がっていく。コーデのビジネスは成功を収め地位も名誉も手に入れたが、他のハスラーたちの標的となり、愛を取るか成功を取るかで悩むことになる。そして、ついに悲劇が起きてしまう・・。

スヌープのラップが聴けるミュージックビデオの延長?のような印象。ストーリー的には・・惚れた女に売春させるか?女も惚れた男に売春させられてショックじゃないのか?悲劇の後に反省はないのか?・・などなど、普通の疑問が(笑)。まあ、見た目にゴージャスでファッショナブル、ピンプたちや彼らの女たちのド派手な衣装など見所は多いけれど。

キーワード;
スーパー、ブレスレット、金、ギャング、トップレス・クラブ

boss'n up
2005年アメリカ
監督:プーク・ブラウン
出演:スヌープ・ドッグ、ホーソン・ジェイムズ他

2月24日よりシアターN渋谷にて3週間限定公開


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『シルバー假面』 [映画(・・・?)]

先日急逝した実相時昭雄監督の遺作となった作品。ちょうどニュースを聞いたその日の午後に試写の予定が入っていたので驚いた。本作は、1971年~72年にTV放映した、同名の特撮ヒーロードラマ。実相時監督と脚本家の佐々木守氏が生んだ”早すぎた傑作”と語り継がれている。しかし、この佐々木氏も今年2月に亡くなっている。

実相時監督は本作について「単なるリメイクでは意味がない」と新たな視点を加え、舞台を現代から大正に移し、主人公のシルバー假面を男性から女性へ、しかも日独ハーフの美女に変えて製作。スタッフもオリジナル版の面々が揃った。物語は3話構成で、実相時監督は1話目の「はなやしき」を監督。2話目の「於母影(おもかげ)」を北浦嗣巳、3話目の「鋼鉄のマリア」を服部光則が監督。

大正9年。スペイン風邪、シベリア出兵、労働争議、米騒動などで騒然とする帝都・東京の街。そこに起きる連続美女殺人事件。文豪森鴎外とドイツ人女性エリスの間に生まれた美女ザビーネは、怪人カリガリ博士の仕業と知るや彼に闘いを挑む。時空を超え、東京とドイツを舞台に、蜘蛛型宇宙人やコウモリ型宇宙人、鋼鉄ロボット・マリアら強敵と対決する。カリガリの目的は、ザビーネが持つ銀の指輪を手に入れること。自らが持つ金の指輪と銀の指輪が揃ったとき、世界は滅びるのだという・・。

名作『帝都物語』を髣髴とさせる映像に、ドイツ表現主義映画の代表作で知られるカリガリ博士が舞う。実相時監督と言えばの特撮シーン、おとぎ話のようなザビーネのさすらいの少女時代・・。魔物と絡む森鴎外、そこへ、エリート軍人・本郷大尉や若き江戸川乱歩も加わり、まさに実相時ワールドの集大成といった映像が満喫できる。この奇想天外で大胆な作品は、ファン必見のカルト映画と言っていい。しかし、ザビーネ役の二ーナがド下手。彼女がもうちょっと何とかなったらなあ・・と惜しいところ。カリガリ博士役の石橋蓮司の怪演が見もの。

キーワード;
奈落、舞姫、ハメルーンの笛吹き男、飛行船、ニーベルンゲンの指輪、ワルキューレ

2006年日本
監督:「はなやしき」実相時昭雄 「於母影(おもかげ)」北浦嗣巳 「鋼鉄のマリア」服部光則
出演:二ーナ、渡辺大、水橋研二、石橋蓮司、山本昌之、嶋田久作、ひし美ゆり子、寺田農他

12月23日より渋谷ユーロスペースにてレイトショー
(オリジナルDVD作品リリース前の劇場先行上映)

(C)2006 ジェネオン エンタテインメント/宣弘企画
 
DVDはこちら。↓

シルバー假面(かめん) 1〈初回限定版〉


シルバー假面(かめん) 2


シルバー假面 3


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『松ヶ根乱射事件』 [映画(・・・?)]

『リンダ リンダ リンダ』の山下敦弘監督の新作で、情けなくも可笑しい、一風変わった人間賛歌。
90年代初頭のとある田舎町を舞台に繰り広げられる、双子の兄弟とその家族の葛藤。そして彼らの周りにうろつく訳ありげなカップル。強烈な毒気を放つと同時に、この脱力感。独特の間合い。プレスではコーエン兄弟の『ファーゴ』に触れられていたが、彼らの作品に通じるところがあると思ったのは、やはり私だけではない。

とある田舎町の松ヶ根。畜産業を営む鈴木家は、母、姉夫婦、兄の光で経営を担っている。だらしない生活を送る父は自宅に居づらくなり、床屋に居候。光の双子の弟・光太郎は警察官だ。平和なはずのこの町で、光がある事件を起こす。そして現れた謎のカップル。鈴木家と松ヶ根に不穏な空気が流れ、やがて日常が狂い始める・・。

ドライなユーモアが生きた傑作。舞台は90年代初頭だが、こういうタイプの映画が逆にあの当時にあまりなかったことを思うと、今だからこそ客観的な視点で見ることができた90年代の象徴的な姿だと言える。兄弟間の嫉妬や葛藤、家族同士の信頼関係・・・時々かみ合っては、時々外れてしまう、そんな情けなくも面白い人間の姿を映し出す。本当の意味でのブラックコメディと言えるのではないか。主演の新井浩文と山中崇をはじめ、強烈に個性的なキャラクターたちが登場。これまでのイメージを覆す演技でダメ親父役を演じた三浦友和や、怪しすぎるカップル役の木村祐一と川越美和に特に注目。タイトルになっている「乱射事件」の真相はラストで明らかになるが・・これまた絶妙な脱力センス。必見。90年代の懐かしいポップスも聴ける。

キーワード;
ひき逃げ、床屋、湖、金塊、生首、ネズミ捕り、ピストル
 
監督:山下敦弘
出演:新井浩文、山中崇、三浦友和や、木村祐一、川越美和、キムラ緑子、西尾まり、烏丸せつこ他

早春、テアトル新宿他にて公開

(C)2006 シグロ/ビターズ・エンド/バップ


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『パリ、ジュテーム』 [映画(・・・?)]

ヌーヴェルバーグの名画『パリ、ところどころ』の現代版のような、パリの街のあちこちを舞台にしたオムニバス映画で、アメリ』のプロデューサー、クローディー・オサールが企画した。彼の呼びかけに応え、世界中から集まった監督は18人。しかも、そのメンバーはコーエン兄弟やガス・ヴァン・サント、超話題作『パフューム』の日本公開が間近のトム・ティクヴァ、『CUBE』のヴィンチェンゾ・ナタリ、アルフォンソ・キュアロン、クリストファー・ドイルら錚々たる顔ぶれ。キャストにはジェラール・ドパルデューやファニー・アルダン、ジュリエット・ビノシュ(あんまり好きじゃないが)、ボブ・ホスキンス、ウィレム・デフォー、イライジャ・ウッドら。彼らがそれぞれのショートストーリーを語るのに許された時間は・・・たった5分。

瑞々しい感性が光るグリンダ・チャーダ監督の「セーヌ河岸」、コーエン兄弟監督でスティーブ・ブシェミが”不運な男”を演じたユーモラスな「チュイルリー」、『ヴェルヴィル・ランデブー』のシルヴァン・ショメ監督が、さながら『ヴェルヴィル・・』の実写版のようなイメージで描くパントマイム・ストーリー「エッフェル塔」、ヴァンパイアをテーマにした異色作品、ヴィンチェンゾ・ナタリの「マドレーヌ界隈」、トム・ティクヴァ監督が女優志望のナタリー・ポートマンと盲目の学生を主人公に描く切ないラブストーリー「フォブール・サン・ドニ」、そしてトリのアレクサンダー・ペイン作品「14区」は最後を締めくくるのに相応しい温かく優しい作品で、これはかなり良かった。

18本それぞれのストーリーと解説は省くが、5分という時間がこの映画の要。短すぎる。5分ごとに違う物語に切り替わるために集中力が持たない。どうしても一つ一つの作品の余韻は多少引きずるので、ちょっといいなと思ったストーリーの次の作品は大抵印象が薄いという結果に・・。しかし、企画はとても面白い。街が作るイメージも味わえる。同じ条件で東京を撮った作品を観てみたい・・と思ったのは私だけだろうか。

PARIS,JE T' AIME
2006年フランス
監督:ブリュノ・ポダリデス、グリンダ・チャーダ、ガス・ヴァン・サント、ジョエル&イーサン・コーエン、ウォルター・サレス&ダニエラ・トマス、クリストファー・ドイル、イサベル・コイシェ、諏訪敦彦、シルヴァン・ショメ、アルフォンソ・キュアロン、オリヴィエ・アサヤス、オリヴァー・シュミッツ、リチャード・ラグラヴェネーズ、ヴィンチェンゾ・ナタリ、ウェス・クレイヴン、トム・ティクヴァ、フレデリック・オービュルタン&ジェラール・ドパルデュー、アレクサンダー・ペイン

春公開


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『ナオミ・ワッツ プレイズ エリー・パーカー』 [映画(・・・?)]

『ザ・リング』『キング・コング』など大ヒット作のヒロイン役に抜擢され、オスカーノミネートも経験、今やハリウッドのトップ女優の座にのぼり詰めたナオミ・ワッツだが、実は20代の頃は殆ど注目されず下積み時代が長かった。彼女が注目されるきっかけとなったデヴィッド・リンチ監督『マルホランド・ドライブ』で知り合った俳優仲間スコット・コフィと共に16分の短編コメディを製作中、現実に彼女が無名女優からハリウッド・スターになってしまい、結果的にフィクションともノンフィクションとも言える作品として誕生したのが本作である。2001年のサンダンス映画祭で発表され、その後、監督のコフィとナオミが自らの体験を織り交ぜながら一本の長編へと発展させた。

無名女優のエリー・パーカーは、スターを夢見て一日中オーディションを受けて回っている。車でオーディション会場を駆け回り、トランクの中には役に合わせた様々な衣装がギッシリ。移動中にメイクと着替えを済まし、台詞を暗記。これが彼女の日常だ。売れないロックミュージシャンの恋人もいるが、エリーに隠れて浮気をする彼にいい加減ウンザリ。うまくいかない毎日に苛立つエリーは、ある日、売り出し中のフォトグラファー、クリスと出会う。オーディションに落ち続け、失意の底に居るエリーに、超大作のオーディションのチャンスが巡ってくる。これが最後と決意して会場に向かった彼女が目にした光景は・・。

本当にドキュメンタリーを見ているような錯覚に陥るが、ナオミが演じているのはあくまでエリー・パーカーという無名女優。でも、彼女の下積み時代とオーバーラップするので、とても興味深い。女優志望の人が見ると刺激になるかも。それから、本作にはハリウッドの内幕を覗き見するような感覚もある。特に、ラストでエリーが受けるオーディションの風景・・その異様さは、現実のハリウッドにおいて普通にあり得ることなのか?役になり切るエリーの七変化にも注目。私はナオミ・ワッツには一度だけ実際に会ったことがあるが、小柄で可憐な印象だった。だから、どんなにビッチなメイクや扮装をしても、毒々しい青色のアイスにかぶりついても、知的で上品。なんだか憧れる。
キアヌ・リーブスがドッグ・スターのライブ場面でちょっとだけ出演。

ELLIE PARKER
2005年アメリカ
監督:スコット・コフィ
製作:スコット・コフィ、ナオミ・ワッツ
出演:ナオミ・ワッツ、レベッカ・リグ、スコット・コフィ、マーク・ペルグリノ、チェビー・チェイス、キアヌ・リーブス

今秋、シアター・イメージフォーラムで公開


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